Vintage French frameの醍醐味の一つであるセル生地。
歴史上初めて人工的に合成されたプラスチックであり、深みのある独特な艶と滑りのある質感には、目にする者を惹きつける圧倒的な求心力がある。
1940s FRAME FRANCE IRREGULAR CUTTING WELLINGTON PANTO
濁りのない鼈甲生地。
全面に施した立体的な傾斜のCUTTINGがその美貌に拍車をかけ、やや吊り上がった上部と重心を下に置いたやや歪な下部の削り出しが妖しい空気を醸し出す。
極めつけは、鉄芯のないファットなテンプル。
セル特有の硬さという加工上の欠点がここで功を制し、日用品として充分な強度を叶えながら生地の艶感や色味をダイレクトに堪能できる。
着用時のサイドビューは勿論、折り畳んでおいた状態の美しさは何度見ても感嘆の溜息が漏れる神秘的な佇まい。
実用的なARTと考えれば、決して高くはない(いや、たけぇわ)。