ファッションとして初めて購入した眼鏡が60年代のCrown Panto。
確か手にしたのは今から8年ほど前。今やフレンチアイウェアを語る上で筆頭の1本だが、当時はCrown Pantoどころかフレンチアイウェア自体も一部の眼鏡好き以外ではとりわけ話題になっていなかった様に思える。
そもそも何故Crown Pantoがこれほどに流行っているのか。
それはやはりフレーム上部の直線的ラインの存在だろう。
丸みのあるBostonは人を選ばない王道スタンダードだが、御人によっては柔らかすぎる、ぼやけてしまう印象がある。
例に漏れず、私がそうで「顔面俺流塩ラーメン」を自称する(俺流塩ラーメンって味薄くないですか?初めて食べた時、あまりの味の薄さに卓上調味料フル稼働させました。)ほどの味っ気ない顔なので、Bostonをかけても面が特段変わった気がしなくて物足りない。
だが、Crown Pantoは上部に直線が一本ビシッと引かれただけで柔和な雰囲気の中に剛健が生まれ、顔がグッと引き締まる。
このシェイプが生まれた時代は、あくまで眼鏡=医療機器としての役割が主だった筈。
道具としての必須条件を満たしながら、ファッションアイテムへと昇華させたこのデザインはVery Very Good Design。
そりゃあ時を経ても愛される訳です。
これだけ広い世界なのでオーダーメイドでもしない限り、私以外持っていない唯一無二は存在しない事は重々承知しているが、これだけ流行ってしまうと話は別。
根っからのひねくれ性分なので最近は専らベンチウォーマーになっているが、改めて向き合ってみると素晴らしい1本だなと。