早いもので2月の中旬。
長い長い冬もようやく佳境に差し掛かってきた。
家から職場まで外を歩く時間が極端に短い恵まれた環境である故、今のライフスタイルに身体全体を包み込む本格的な外套の必要性が無く、加えて東京はどこもかしこも”うちで暖をとってくださいな”と言わんばかりに暖房が幅を利かせているので、気温が10℃を切ろうがシャツ×ジャケットのスタイルで冬の大半を過ごしている。
だが前述したような極端な寒さはやはり耐え難く、”何故こんな薄着をしているんだ馬鹿野郎”と心の内で自身を非難する事も多々あり、知人にも「コート着ないの?寒そう〜。」とよく言われるが、こちらにも意地がある訳で「暑いの苦手なんですよ〜」なんて涼しげな顔をするのだが、寒いです正直。奥歯ガタガタ言わせてます。
そんな生きるのが下手な私に優しく手を差し伸べてくれるのがマフラーという存在。
数年前に購入したこのHERMESの1本は、冬の必需品だ。
スコットランド産最上級カシミアがもたらす高い防寒性と極上の肌触りは禁断の果実。
一度味わえばもう後戻りできないが、これは自分を甘やかす贅沢ではなく冬の寒さから身を守るために不可避な手段であって必要な贅沢。
140cm×40cmのサイズもこれまた嬉しく、ジャケットの上に巻いても収まりが良い。
これ以上大きいと上着とのバランスが崩れるのでコートを羽織らないとしっくりこないし、これ以上小さいと防寒目的としてはなんとも頼りない。
室内でもちょっと肌寒いなと感じる時は巻かずに首から垂らしても自然体を装える。
痒いところに手を差し伸べてくれ、手に取った人全てを幸せにするHERMES様の懐の深さに心からの感謝を。
ところでHERMESを悪く言う御人っていらっしゃるんですか?
私はお会いした事ないです。