遡ることゴールドラッシュから男性の半身を包み支えてきたデニム。
その定番故の説得力は幾ら時が経ようと色褪せず、むしろ経るごとにその安心感は増すばかり。
今や様々なブランドやメーカーからリリースされているデニムだが、その発端であり原点こそLevisであり、様々なモデルの中の不動ナンバーこそ501。
太すぎず細すぎない秀逸な腿周りから広がるカーブラインは、体型を問わない汎用性の高さを備えながら、御人によって逞しくもエレガントにも見えるパーソナリティを映し出す鏡の様でもある。
中でも「もう勘弁してくれ」と言いたくなる程に高騰し続けるXX。
その記号が持つ意味価値は、単なる蒼という表現で片付けられない深い色調と迫ってくる様な織りの表情を見れば、知識に疎くとも感覚的に”分かる”。
この1本と出逢ったのは数年前。
かなり着古されて破れやほつれがあるが、私にとっては旨味以外でも何物でもない。
あくまで作業着として日常着として偶発かつ必然的に発生した色落ちと愛着を感じさせるリペアの数々はこの世の中の唯一無二であり、四季折々カットソーやニットなどなど合わせる物が変われど決して濁る事のない孤高である。
色落ちに関してはこれ以上の変化は望めないが、着用を繰り返すごとに更なるほつれや破れも出てきた。
この1本にどれほどの人間が携わってきたかは知る由も無いが、私も都度リペアを重ねて受け継がれてきたバトンを次に繋げていきたい。