数年前にBallantyneのカシミヤセーターに初めて袖を通してから、私はカシミヤの虜。
ずっーと「カシミヤで全身を包み込みたい。」という至極贅沢で我儘で怠惰な野望を心の奥底に秘めて数年、やっと叶えた。
キュッと締まるリブでさえもふわりと肌に優しく、大きな愛となって身体に陽だまりを作っていく。
歩いたり、身体を捩ったり、キーボードを叩いたり、一挙一動毎にカシミヤと触れる感覚は、日常の一瞬さえも格別に思えてしまう。
幾多の一筆の重なりのよって完成し鑑賞者の琴線に触れる絵画の様に、繊維一本一本が紡ぎ出し完成したこの一着は、日常を豊かにしてくれる甘美なのだ。